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取組の全体像

研究開発の取組の全体像

 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉(以下「1F廃炉」という。)は、技術的な難易度がきわめて高い課題を多くともなうもので、東京電力自らによる取組に加え、政府による補助事業や施設整備事業を通じて、現場への適用を目指した信頼性が高い技術の研究開発が進められています。

 政府による「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下「中長期ロードマップ」という。)では、これに沿った研究開発計画が提示され、複数の研究開発プロジェクトが取り組まれています。これらの研究開発の実施主体におけるマネジメント体制を強化するため、平成25(2013)年8月に技術研究組合 国際廃炉研究開発機構(IRID)が設立されるとともに、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)を中心として研究拠点施設の整備や基礎基盤研究の取組が進められています。

 こうした中、原子力損賠賠償・廃炉等支援機構(NDF)は、平成26(2014)年8月の設立にともなって廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発に関する業務を実施するための方針(平成26(2014)年8月21日)を策定し、研究開発の企画、調整及び管理の在り方(研究開発マネジメントの在り方)を明確化しました。また、平成27(2015)年4月30日、NDFは「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2015~2015年中長期ロードマップの改定に向けて~」(以下「戦略プラン」という。)を策定しました。

 NDFがとりまとめた技術戦略プランは、1F廃炉を適正かつ着実に実施する観点から、政府の中長期ロードマップに、しっかりとした技術的根拠を与え、その着実な実行や改定の検討に資することを目的としています。特に、事故炉の廃炉を行う上で重要な課題である溶融して固まった燃料の取り出し及び廃棄物対策についての戦略に加え、研究開発の取組を含む全体的な計画をとりまとめています。また、放射性物質によるリスクの分析を行い、リスク低減のための主要な課題や対策についてロジックツリーに整理・提示しています。

  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2023(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和5(2023)年10月18日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2022(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和4(2022)年10月11日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2022 英語版(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和4(2022)年10月11日)(PDF形式)

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  • 東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2015(平成27(2015)年4月30日 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2016(平成28(2016)年7月13日 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)(PDF)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2017(平成29(2017)年8月31日 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)(PDF)
  • 燃料デブリ取り出し方針のための提言(戦略プラン2017の第4章)(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(平成29(2017)年8月31日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2018(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(平成30(2018)年10月2日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2019(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和元(2019)年9月9日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2019 英語版(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和元(2019)年9月9日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2020(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和2(2020)年10月6日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2020 英語版(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和2(2020)年10月6日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2021(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和3(2021)年10月29日)(PDF形式)
  • 東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2021 英語版(原子力損害賠償・廃炉等支援機構(令和3(2021)年10月29日)(PDF形式)
  • 2019年度廃炉研究開発計画について(経済産業省 廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議(第63回:平成31(2019)年2月28日)(資料4 その他 PDF形式)
  • 研究開発プロジェクトの進捗状況及び次期計画の方向性(経済産業省 廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議(第51回:平成30(2018)年3月1日)(資料4-2 その他 PDF形式)

研究開発の概観

研究開発の全体像

1F廃炉に向けた取組は、これまでに例のないきわめて技術的に難しい課題に対し、多様な関係機関が叡智を結集しながら、現場適用・実用を目的とした応用開発から基礎・基盤的研究に至るまで、多様な関係機関が取組を進めており、今後も一層密接な連携を図っていくこととしています。

実施機関

<出所:技術戦略プラン2015 6-2 廃炉に関する研究開発事業の全体像(図6-1)
(平成27(2015)年4月30日 原子力損害賠償・廃炉等支援機構)>

政府

 「中長期ロードマップ」を通じて1F廃炉に向けた取組に関する政府方針を明確化・提示し、その実現に向けた取組として、技術的に難易度の高い課題について研究開発計画を示し、実施機関に対して資金を提供。
- 経済産業省:  廃炉・汚染水対策事業
- 文部科学省:  英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業
         JAEA運営交付金を通じた基礎基盤研究、

原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)

 1F廃炉に関する中長期的戦略を具体化する「戦略プラン」の提示・実行を通じ、政府が主導する研究開発計画に加え、東京電力の廃炉作業や研究機関による具体的な計画に対する指導・助言等を実施。
 また、多様かつ多岐にわたる1F廃炉の研究開発の取組について連携強化を図るため、「廃炉研究開発連携会議」を通じた全体的な調整・マネジメントに取り組む。

東京電力ホールディングス(TEPCO)

 「福島第一廃炉推進カンパニー」のもと、1F廃炉作業に責任をもって取り組む主体。
 開発された技術の適用・実用に係る現場作業の実行に責任を有し、「特定原子力施設」と指定された福島第一原子力発電所の安全確保のための「実施計画」を策定・改訂し、原子力規制委員会の認可を得て1F廃炉を進める。

研究機関
国際廃炉研究開発機構(IRID)

 1F廃炉の研究開発実施に関する統合的なマネジメント強化を図るために設立された技術研究組合(東京電力をはじめ電力会社、プラント・メーカー、研究機関など18の組合員企業・機関から構成)。
 「廃炉・汚染水対策事業」の実施機関の中核として、個々のプロジェクト毎に国内外の研究機関・企業等との連携・協力体制を構築しながら、技術・システムの現場適用・実用に繋げる応用開発(そのために必要な基盤的な研究を含む)を実施。

日本原子力研究開発機構(JAEA)

 国の研究機関(国立研究開発法人)として、基礎基盤研究を実施するとともに、研究拠点施設の整備・運営を推進。また、「廃炉国際共同研究センター(CLADS)」を設置し、国内外の叡智を結集し、これらの取組を強化。

民間企業、その他の研究機関

 IRID以外に、東京電力ホールディングス、メーカーをはじめとする企業においても、現場適用・実用を目的として応用開発を実施(例:東京電力技術開発研究所や多様なメーカーによるロボット開発など)。
 また、その他の研究機関においても、1Fの現場作業への適用に繋げることを目指した基礎研究、基盤的研究を推進。

大学、高専など教育機関

 長期にわたる1F廃炉を支える人材の育成を図ることが課題である中、大学、高専など高等教育機関において、基礎研究、基盤的研究に取り組むとともに、1F廃炉を念頭に置いた特別な講座や教育機会を設けて人材育成の取組を実施。

各種学協会

 政府や関係機関から独立した第三者的な立場としての多様な視点・観点から、1F廃炉に向けた現場作業や研究開発の取組に対して提言・助言活動を実施。原子力関係学会以外の多様な分野の学協会においても、1F廃炉に関する取組が進められており、より多くの研究者・技術者の関心・参加を得ることが重要。

廃炉研究開発連携会議

 実用から基礎に至る研究開発の一元的なマネジメントを強化するため、平成27年5月の廃炉・汚染水対策チーム会合において、NDFに「廃炉研究開発連携会議」が設置され、平成27(2015)年7月の第1回会議において「廃炉・汚染水対策に係る研究開発の連携強化に関する基本的方針」が決定されました。

 以後、同会議において研究開発連携強化に向けた具体的な取組と課題について討議し、更なる取組を進めています。

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